こんにちは。マーケティングとキャリアのコーチ淡島愛子です。
今日は、ロジカルで、きれいに、話さなくてもいいタイミングをつくることの大切さについてお話したいと思います。
部下に対してそういうタイミングをつくることを心がけていると、今より広い範囲で物事をとらえられるようになり、そこから課題抽出や問題解決の糸口をみつけることができます。
普段、簡潔に、論拠を明確に、結論から、など、きれいに話すことを要求されていて、自分でもそのように話すように努力している方、またはそれを部下に求めている方には一度読んでいただきたい内容です。
きれいに話すことで失われるもの
ロジカルに話そうとすると、頭の中で一度話を整理して、情報を並べ替えたり、取捨選択をします。
この頭のなかの整理が、慣れていない人はけっこうしんどいものですよね。
またその過程のなかで、筋のとおらないこと、根拠がないことに関しては、話から除外され、最終的に言葉となって相手に伝わらないことが多いでしょう。
その筋のとおらないこと、根拠がないこと、については、なんとなく正しいような気がする、またはなんとなく違う気がするといった、第六感や直感的なものがあると思います。
また、頭ではわかっているけれど、感情的には収まらない、相反することを同時に求めたりと矛盾をはらんでいるけれどもそうしたいと強く思う、といった感情面のものがあると思います。
理屈にならないものが重要なとき
普段のビジネス的な会話なら、きれいに整理された簡素な会話のやりとりで十分でしょう。
ただし、そこから切り離された、直感的なものや感情的なものが非常に重要なこともあります。
たとえば、マーケティングの企画を立てているときに、その戦略をどんなにロジカルに立てたとしても、何かできあがったものにピンとこないままにすすめてしまって、いざサービスローンチしたときに、やっぱり違ったよね、的なことがあったりします。
その「ピンとこない」第六感的なものを早めに突き詰めておけばこういう失敗はなかったでしょう。
また、チームメンバーの配置を考えてメンバーに告知したときに、能力的なものから客観的に筋の通った配置を決めたとしても、メンバーの誰かひとりに、その内容について感情的な違和感をもつ人がいれば、全体のチームワークがうまくいかないことはよくある話です。
こういう場合も、その感情的な違和感を早めにケアしておけば、後からなにか不具合が生じたときに後悔せずとも済むことでしょう。
きれいに話さなくてもいい場をつくる
こういった、直感的なもの、感情的なものを話す妨げになるのが「簡潔に、ロジカルに、きれいに」話さなければいけない、という縛りになります。そうあるのがビジネスの基本とする姿勢が、まじめな人ほど深層心理に組み込まれていて、そこから話すことがいけないことのように感じていらっしゃる方がたくさんいます。
直感的なもの、感情的なものはそもそも「簡潔に、ロジカルに、きれいに」話すのが、不可能に近い領域です。
なので、「簡潔に、ロジカルに、きれいに」話さなければいけない、という思い込みを意図的に解くしかけが必要なのです。
仕事のあとの飲みに行くという機能を置き換える
古き良き昭和の時代は、仕事のあとの飲みに行くのが「簡潔に、ロジカルに、きれいに」話す縛りを解く場の一つとして機能していました。仕事が終わったあと、アルコールで気分も開放的になってきれいに話さなければという意識から抜け出す機能をうまく果たしていたと思います。
働きかたも変わり、リモートや在宅勤務も当たり前になった今は、そういう場を意識して作るしかありません。
オンラインでもミーティング前に少し雑談をしたり、雑談専用のコミュニケーションを前提とした話し合いの場を作ることも大切だと思います。
部下をもつマネージャーの方については、1on1を取り入れて、雑談プラスアルファの相手の、きれいにしゃべらなくてもいい時間をつくることをお勧めします。
何を思っているか、感じているかをきく
相手の話を引き出すために、信頼関係を気づくことが一番ですが、これは過去の記事で書いたのでそれを参照いただければと思います。
また、相手の感情にフォーカスした質問を取り入れることを意識的にすることをおすすめします。具体的には、何を感じているか、その時どう思ったのか聞くことです。
相手の話をきいている流れの中に
「なるほど、その時〇〇さん的にはどう思った?」
「きれいに話さなくてもいいから、感じたことをいってくれる?」
「それはざっくりどんな感じかな?」
などの質問を加えてみてください。
論理的に話をすすめることから離れたくない方もいらっしゃいますので、そういう方にはあらかじめそういうところから離れて感情的なこと、直感的なことも洗い出したい旨を伝えておくとよいでしょう。
直感的な感情的な話の中から、具体的な課題を導き出すのは難しい面もありますが、そのコツのお話はまたの機会にしたいと思います。
必ず今捉えられている物事をより広い側面からとらえ、そこがより質の高いアウトプットにつながるでしょう。
なかなか人の話をうまく聞けない、部下にアプローチできないという方は、一度プロにご相談ください。
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それではごきげんよう♪