キャリア

その目標は本当にあなたのやりたいこと?

こんにちは。マーケティング&キャリアコーチ淡島愛子です。

今日は、自分の思っている目標が意外と自分が求めるものではなかったというお話です。

自分の掲げた目標になかなか踏み出せない人は、何かその目標に違和感を感じているせいかもしれません。

心ない面接官の一言がきっかけに

今回のコーチングのクライアントの細河さんは、以前一緒にお仕事をしたことがある、エンジニアです。

常に冷静で、淡々と言葉を並べて、システムの難しく込み入った部分を根気強く説明していただき、大変助けられました。深い専門知識と丁寧な仕事ぶりで、難しい案件が発生したときには必ずお呼びがかかる、社内でも多くの人から信頼されていた彼女でした。転職をされて、さらに上のステージに進まれた感のある彼女でしたが、セッションで話したいテーマを聞いてみると

「戦略的にキャリアをきずきたい」

ということでした。

きっかけとなったのは、転職活動の時の面接官の

「キャリアがまったく戦略的ではないですね」

という一言だったそうです。彼女はその会社にかなり魅力を感じていたので、そこでの一言が彼女の胸に棘のように突き刺さり続けていたようでした。

しかし、この面接官の言葉ってひどくないですか?転職面接をたくさん受けたし自分もやってきた経験上、これはないと思うのですが・・・

目標と理想の人とのギャップ

「確かにその時その時で興味のあるものを追いかけていたような気がする」

「漠然と生きてきた。35歳ぐらいから夏休みの宿題ができていない子供みたいに焦っている感じがある」

「まわりの頭のいい人は視野が広くて、人生設計がちゃんとしている」

彼女の話のなかで、「自分は頭が悪い」、とか「頭のいい人」という言葉が数回でてきました。彼女のやっている仕事や、内容から考えると高度な知識やその応用力が問われるものなので、実際に頭のよさに問題があるようには見えません。しかし彼女の中でのよいと思われる、ある意味で理想人が「頭のいい人」という言葉で表されているのだと気づきました。

「じゃあまわりの頭のいい人ってどんな人なんですか?」

「たとえば○○さんとか・・・」

そしてその人たちがどんな風にキャリアを形成しているのか、想像も入れて話してもらいました。

話していくうちに、彼女の口から

「彼(彼女たち)は特に戦略的にキャリアを気づいてきたわけではなさそう・・・」

確かに、彼女の「頭のいい」と思う人たちの話を聞いていると、最初から意図的に何かを狙ってキャリア形成してきたように感じませんでした。

どちらかというと、その時興味のあるものに集中していくうちに、知識やスキルを積んでいったように見えました。

彼女の最初の目標は、「戦略的にキャリアをきづきたい」でしたが、その目標を理想である「頭のいい人」にぶつけてみると、ギャップがあり、そこから自分の本当の目標はそうではないと彼女は気づきました。

優秀な人でも頭のいい人でも一人で考えていると迷路にはまる

彼女のように、目標を設定しながらも、本来のめざしたいところはそうでないことはよくあります。

彼女の場合は、そこから自分軸でのキャリアのすすめ方について考える方向で前に進んでいくのですが、そのお話はまたにしたいと思います。

一人で考えているとそこに気づかず、ぐるぐると迷路にはまって時間を費やすことは、かなりしんどいと思います。そういう時はプロに頼ってみることも考えてみてください。

身体のコリにはセルフマッサージもよいですが、プロのセラピストは自分ではほぐせないコリをほぐします。心や思考のコリや癖で前に進めない人は、一度プロのコーチにご相談ください。